話を聴く前に解決しておくこと

今日は『傾聴術』について紹介します。

聴き手が「話し手の思いをあたかも自分の体験であるかのようにありありと理解する」「話し手を無条件に受け入れて尊重する」ことをしようとするとき、聴き手自身の人としてのあり方が問われます。
聴き手自身のこころのなかにまだ癒せていない痛みがあると、話し手の似たような痛みを、「あたかも話し手であるかのように」理解することができません。

聴き手自身のこころの底にあってまだ癒えていない傷が、痛みだしているのだと思います。または、聴き手が自分自身の痛みに触れることが怖いため、気づかないうちにこころを固くしたり、話し手と距離を取ってしまったりするため、話を聞いても何も感じなかったり、話し手の言うことがピンと来なかったりすることもあります。
また、聴き手が話し手に対してイライラしたり、怒ったり、批判的な気持ちになったりして、話し手を傷つけるようなことを言ったり、説教したりすることもあります。

聴き手が「話し手の思いを自分のことのように理解する」ためには、聴き手自身の心の問題が解決している必要があります。解決できていないと、話し手の話している内容が引き金となって、さまざまな感情がわき上がってしまい、話し手の思いを理解できなくなり、傷つけてしまう結果になってしまいます。

先日のエントリー(判断を加えずに話を聴くことは難しい)の際に、なぜ自分が「クライアントが求めている方向とは違うところに話を持って行こう」としてしまったのか、その理由がよく分かりました。

自分自身のこころの痛みが未解決であるために、その痛みを通してクライアントの話を理解してしまっていました。その結果、クライアントの思いを正しく理解することができずに、クライアントが求めているものにたどり着くことができなくなってしまいました。

「話し手の話を聴く以前に、聴き手(自分自身)の心の痛みを解決させることが先決」ということに、今回気づけてことが大きな収穫でした。

この記事を書いた人

田嶋健一

「自分らしい人生を送りたい」というコンセプトで、自分が心地よく感じられることに日々取り組んでいます。

ブログでは普段から気になっていることを紹介しています。

ブログを通じて、自分が持っている力を「人のため」に使っていきたいと考えています。