今回は先日見に行きました「マグリット展」について紹介します。
作者のマグリットは、「言葉やイメージは、必ずしもその物体そのもの示してはいません」というメッセージを、あらゆる角度から問いかけていました。
展示されているどの作品を見ても、使われているタイトル(言葉)、素材そして構成が、普段私たちが思い描いている用途と違う使われ方をしています。
そのために、各々のつながりを確認しながら絵をみようとしても、関係性がつかめずに混乱してしまいました。
私たちは、自分が見たり、聞いたり、調べたりすることで得られた言葉やイメージでもって、さまざまな物事に対して認識しています。
私たちが認識しているものは、物事のほんの一部分にすぎないはずなのですが、そのものすべてを表しているように感じています。
ところが、マグリットが描いた世界のように、今まで目にしたことのない世界を触れた際には、言葉やイメージから思い起こされる関係性に囚われて、「ありえないもの」と決め付けてしまいます。
今回の展覧会を通して、「私たちは、目に映っているありのままの姿を見るのではなく、自分が持っている言葉やイメージの枠に沿って呼び起こされたものを見ている。」ということを改めて感じました。
国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO
マグリット展の開催日時はこちらをご確認ください。